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記事一覧

試訳 エウゲニコス『ノモフュラクスのエウゲニコスのトレビゾンド市への賞賛の模範文(エクフラシス)』

試訳 エウゲニコス『ノモフュラクスのエウゲニコスのトレビゾンド市への賞賛の模範文(エクフラシス)』早いもので、本ブログ記事作成からもう2年である。今日は聖ゲオルギオスの日であり、かつアレクシオス1世大コムネノスがトレビゾンド市を征服した日とされる日である。今年に入ってからスコット・ケネディがミカエル・パンアレトス(パナレトス)の『トレビゾンド帝国年代記』とヨハネス・ベッサリオンの『トレビゾンドへの賞賛の...

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「アッティーヤ・イブン・サーリフの消息」

概要今回の記事はマラーズギルドの会戦の続きです。今回は写本のp.177 l. 17からp.178 l.12まで。タイトルと段落番号はベイルート版に依拠する。翻訳1.彼(マフムード)の叔父であるアッティーヤ・イブン・サーリフはルームの庇護下にいたが、彼の甥のマフムードに援護をもとめた。エジプトを目指したのち、彼らからは何も獲得しなかった。アッティーヤはアンティオキアのdwqs(ドゥクス)とルーム(ビザンツ)の兵とともとに出発し、彼...

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試訳「マラーズギルドの会戦」③

試訳 「マラーズギルドの会戦」③試訳「マラーズギルドの会戦」②の続きです。マラーズギルド戦史は今回までです。よりにもよってビザンツ滅亡の日にやるのかよ……というツッコミもあるかと思いますが、せっかくなので今日投稿致します。今回の翻訳の範囲はフランス国立図書館写本176ページ6行目から177ページ17行目までです。翻訳13.(ビザンツ)皇帝は捕虜をスルターンの目の前へ連れて行き、鎖で繋いだ。彼と共にハヤブサと猟犬の目...

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書評: ジョン・フリーリ『イスタンブール 三つの顔をもつ帝都』

書評: ジョン・フリーリ『イスタンブール 三つの顔をもつ帝都』久しぶりに書評をアップする。この本はトルコの著述家John Freelyが書いたIstanbul: The Imperial Cityをオスマン史家の鈴木董氏監修のもと長縄忠氏が翻訳したものである。この本の著者は元々アメリカ出身の物理学者ではあるが、トルコのイスタンブールに移住してボアズィチ大学で教鞭をとっている。そしてイスタンブルについて深く調べて、イスタンブルについての本...

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書評: ジョナサン・ハリス、井上浩一訳『ビザンツ帝国 生存戦略の一千年』

この本はジョナサン・ハリス先生が書いた"The Lost World of Byzantium"をビザンツ史家の井上浩一先生が翻訳を手がけ、2018年の1月に出版されたものである。以前も井上先生はハリス先生の著書『ビザンツ帝国の最期』(原題は"The End of Byzantium")を翻訳されていて、今回もこの二人による共演が見られるとなると嬉しさのあまり購入した。分厚い上濃厚な作りになっている。如何にして一千年生き延びていったかという問題設定のため...

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