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書評:鈴木董『食はイスタンブルにあり 君府名物考』

書評:鈴木董『食はイスタンブルにあり 君府名物考』1453年の5月29日はオスマン帝国のメフメト2世が君府、すなわちコンスタンティノープルを征服した日である。メフメト2世関連の近刊情報を挙げるとすれば、近日濱田正美氏によるトゥルスン・ベグの『征服の父 メフメト2世記』の邦訳が出版される。この史料はメフメト2世のトレビゾンド征服についても詳細な情報を提供するものとなっている。また本史料は写本からの完訳をしてい...

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書評:田中創『ローマ史再考 なぜ「首都」コンスタンティノープルが生まれたのか』

書評:田中創『ローマ史再考 なぜ「首都」コンスタンティノープルが生まれたのか』‏三二四年から建設が開始されたこの町は、三三〇年五月十一日にその完成が祝われた。世界史ではしばしばこの都市の建設をもって、ローマからの遷都がなされたという説明がなされる。また、後に中世世界まで活発な活動を続けるローマ帝国はビザンツ帝国の名で呼びならわされるが、このビザンツ帝国の始まりもコンスタンティヌスと彼の都を目安とす...

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トレビゾンド帝国の建国とジョージアの関係について

トレビゾンド帝国の建国とジョージアの関係について1204年4月23日はトレビゾンド皇帝アレクシオス1世がトレビゾンド市に入城したとされる日である。元来トレビゾンド帝国はパンアレトス年代記に基き世界創造紀元6712年(西暦1204年)4月に建国されたと説明されてきたが、これに対してある史料の情報から導き出された詳細な日付を加えたものである。その史料とは即ちアレクシオス1世の印璽だ。この印璽は1963年にトラブゾン市で行われ...

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ビザンツ史の史料の探すときに知っておくと便利な知識

ビザンツ史の史料の探すときに知っておくと便利な知識1390年3月20日はトレビゾンド皇帝アレクシオス3世が逝去した日である。アレクシオス3世の治世は初期を除いて安定していた。初期においては内乱の名残が見られたが、皇帝の権限を強化し婚姻外交で対外関係を平和にした。アレクシオス3世の死を悼むステファノス・スグーロプーロスの『アレクシオス3世葬送演説』の英訳もオーストリア科学アカデミーのKrystina Kubinaによって昨年...

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書評:宮下遼『物語 イスタンブールの歴史』

書評:宮下遼『物語 イスタンブールの歴史』1月21日は聖エウゲニオスの聖名日である。トレビゾンド皇帝アレクシオス3世は聖エウゲニオス教会(現在のイェニジュマ・ジャーミィ)で即位したのもこの日付である。先日トラブゾン・アヤソフィアの床のタイルの美しさを紹介している方のツイートで思い出したことだが、同様にトラブゾンにおけるトレビゾンド帝国時代の教会がモスクとして改装されたことで知られるパナギア・クリュソケフ...

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